2024年5月4日土曜日

2024年4月28日

 2024年4月28日 復活節第5主日礼拝説教要旨

「愛、憎しみの世界での約束」 小笠原純牧師

  ヨハネによる福音書 15:15-27節

 ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとパレスチナのハマスの戦争など、私たちの世界はここ数年、とても重苦しくつらい戦争の出来事に覆われています。またイスラエルとイランが行なったミサイル攻撃など、私たちを不安にさせます。争いの多い世界にあって、イエスさまが逮捕された時に言われた言葉を思い起こしたいと思います。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイ26章52節)。イエスさまは力に頼るのではない道を歩まれた方でした。

 イエスさまが十字架につけられる前に、最後に弟子たちに伝えた命令は、「互いに愛し合いなさい」ということでした。あなたたちが生きていくためには、互いに愛し合うことが必要なのだと、イエスさまは言われました。そのあと、イエスさまは弟子たちに、世の人々はあなたたちを憎み、あなたたちは迫害されることになるだろうと言われました。

 迫害をされるということですから、弟子たちは人々から憎まれるということです。弟子たちは憎しみの多い世界で生きることを強いられます。争いや憎しみの多い世界では、力で持って押さえつけるようなことが良いことのように言われます。しかしイエスさまは弟子たちに「互いに愛し合いなさい」と言われました。憎しみや争いの多い世界だからこそ、互いに愛し合うということが大切なのだ。憎しみや争いの多い世界だからこそ、互いに愛し合うことが最後の砦なのだ。互いに愛し合うこと、互いに尊敬しあうこと、それが私たちの世の中で大切なことなのだと、イエスさまは言われました。そしてイエスさまは十字架への歩みへと進まれます。

 十字架につけられ、人々からののしられるイエスさまが、「互いに愛し合いなさい」と言われます。イエスさまは多くの人々を救いました。しかし自分を救うことはできませんでした。そのイエスさまが、私たちに「互いに愛し合いなさい」と言われます。憎しみや怒りに支配されることなく、イエスさまの愛を拠り所にして生きていく。それがイエスさまが私たちに対してくださった約束です。

 イエス・キリストは私たちの罪のために十字架についてくださり、私たちに永遠の命を約束してくださいました。憎しみや怒りに支配されそうになることが私たちには多いですけれども、イエスさまが私たちのところに送ってくださる弁護者である聖霊の働きを信じて、寛容なこころを取戻したいと思います。イエスさまの愛に包まれて、こころ平安に歩んでいきましょう。


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