2024年9月22日 聖霊降臨節第19主日礼拝説教要旨
「暴力の世界から離れて」 小笠原純牧師
ヨハネによる福音書 10:31-42節
アンナ・ラッセル著、カミラ・ピニェイロ絵、堀越英美訳『だから私はここにいる 世界を変えた女性たちのスピーチ』(フィルムアート社)という本は、いろいろな女性たちのスピーチを集めた本です。この本の中に、マリア・スチュワートという女性のスピーチが出てきます。「別れの挨拶」というスピーチで、1833年のスピーチです。マリア・スチュワートはこう言っています。【人間を形成するのは肌の色ではなく、その人の魂で育まれた行動規範なのですから。どこで生まれた人であっても、すばらしい知性はきらめき、天分の才能の輝きは隠しきれるものではありません】。
肌の色や、性別などで、人はいろいろなことを決めつけます。あるいは生まれた場所とかもそうでしょう。イエスさまはガリラヤのナザレで育たれました。ユダヤのエルサレムにいたユダヤ人たちは、ガリラヤのナザレから何か良いものがでるわけがないと思っていました。ユダヤ人たちはイエスさまを受け入れることはできませんでした。
イエスさまのことを信じることができないユダヤ人たちは、はじめからイエスさまのことを拒否しています。イエスさまが神さまの御心を行なっているということについては関心がないのです。イエスさまは神さまの御心にかなわない社会になっていることで、ユダヤの指導者たちを非難します。彼らはイエスさまが自分たちの意に添わないことをするので、イエスさまのことを敵とみなします。自分の意に添わない人はみな敵なのです。彼らは敵を作り出すことに一生懸命になっていました。
石を投げようとしてくる人たちに、イエスさまは「わたしを信じなくても、その業を信じなさい」と言われ、共に良い社会を作っていこうと呼びかけられました。お互いに良いところを見つけ出し、共に神さまのために働こうと、イエスさまは言われました。
日常生活の中で、私たちもいろいろなことに腹を立てたり、いじわるな気持ちになったりします。「あの人のことは大嫌い」という思いに囚われてしまうこともあります。しかし落ち着いて、考えてみなさいと、イエスさまは言われます。心を落ち着けて、意地悪な気持ちから離れて、やさしい気持ちになりなさい。そうするとまた新しい道が開かれてくる。共に神さまのために働こうという気持ちが与えられると、イエスさまは言われます。
イエスさまと共に、落ち着いて、やさしい気持ちを取戻して歩んでいきたいと思います。
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