2026年7月26日 聖霊降臨節第10主日礼拝説教要旨
「だめなわたしだけど」 小笠原純牧師
マルコによる福音書 9:33-41節
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)は、西武大津店、膳所高校などが出てくるので、滋賀県民必読の青春小説です。主人公の成瀬あかりは、自分と他人を比べるということがありません。いつも自分がやりたいと思ったことをやります。「閉店する西武大津店に閉店まで毎日通う」「シャボン玉を極める」「M-1グランプリに出場する」「200歳まで生きる」。まっすぐに自分の道をいくところが読んでいて、読者にすがすがしい気持ちを与えてくれます。
イエスさまは弟子たちを呼び集めて、「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい」と言われました。「あなたは偉い人ですね」とちやほやされる人が偉いのではなくて、すべての人に仕える者がほんとうの偉い人なのだ、あなたたちにはそのように生きてほしいのだと、イエスさまは言われました。
イエスさまの弟子たち、また弟子のヨハネは、自分たちのなかで一番偉いのはだれかというようなことを議論したり、イエスさまの名前を語って悪霊を追い出すのをやめさせたりしています。イエスさまの弟子たちは、偉くなりたいとか、人に指図をしたいというような思いにとらわれていて、なかなか困ったことになっています。しかしだめな弟子たちがいるからこそ、私たちはイエスさまの、神さまの深い愛を知ることができるのです。こんなだめな弟子たちでも、イエスさまは愛してくださっているのだ。こんなだめな弟子たちでも、神さまの祝福にあずかっているのだ。そのように思えるからです。
だめなわたしでも、神さまはわたしのことを愛してくださっているのです。人と比べて高慢になったり、あるいは卑屈になったりする、恥ずかしいわたしであるわけですが、でも神さまはわたしのことを愛してくださっています。イエスさまの弟子のヨハネがそうであったように、トラの威を借るキツネのように、力におもねりながら、力に屈してしまうような弱さをもっているわたしのことを、でも神さまは愛してくださっています。
だめなわたしであるわけです。だめなわたしであるけれども、神さまはわたしを愛してくださり、「あなたはわたしの愛する子、わたしのこころに適う者」という祝福を、わたしに与えてくださるのです。
神さまの深い愛に感謝して、すべてをお委ねして歩んでいきましょう。に出会う歩みへと招かれたい。