2026年10月25日 降誕前第9主日礼拝説教要旨
「思い悩むな。だいじょうぶだから」 小笠原純牧師
ルカによる福音書 12:13-31節
「むかしは、火をおこすのに、火打石というものをつかった。ある人が、『おうい、火がきえてしまった。だれか火打石を持ってきてくれ』と、しきりによぶが、だれもやってこない。また、『おうい、どうした。早く火打石を持ってきてくれ。暗くて本が読めない』。すると、むこうのへやから、『こんなに暗くては、どうにもなりません。さっきからさがしているんですが、なかなか見つかりません。すみませんが、あかりをつけてもってきてください』(『中国の笑いばなし』、学燈社)。笑い話を聞くと、「バカだなあ」というふうに思います。しかし私たちも別の形でこういうことをしていたりします。つまりいつのまにか本質的なことを忘れてしまうということです。
イエスさまは「愚かな金持ち」のたとえを話されました。このお金持ちは本質的なことを忘れていたわけです。自分の命は神さまから与えられたものであるということです。豊かな収穫を得ることができたということも、これもまた神さまによって与えられたものでした。しかしこのお金持ちは、神さまから与えられた恵みによって、自分が生かされているということを忘れて、あたかも自分の力で生きているように思ってしまっていたのでした。
私たちは神さまによって命が与えられ、生かされている。この本質的なことを忘れてしまっているのは、なにもお金持ちだけではありませんでした。貧しい人々もまたこのことを忘れてしまうときがあります。イエスさまは「思い悩むな」というたとえを話されました。貧しい人々もまた、食べること、衣服のことなどで、毎日思い煩っていました。しかしイエスさまは言われます。烏は、種も蒔かず、刈り入れもしない。納屋も倉も持たない烏を神さまはやしなってくださっている。明日は炉に投げ込まれる野の花や草さえ、神さまはこんなにも美しく着飾ってくださる。あなたたちは烏や野の花よりも価値があるのだから、神さまはかならずあなたを守ってくださる。そんなふうにイエスさまは言われました。
イエスさまは言われます。「思い悩むな。だいじょうぶだから」。神さまはあなたたちのことをよく知っていてくださる。あなたたちの心の弱いことも、あなたがたの切ない気持ちも、あなたがたに必要なことを、すべて神さまはご存じだから。
イエスさまは私たちに「思い悩むな。だいじょうぶだから。神さまが共にいてくださる」。そう言って、私たちを招いてくださっています。イエスさまの御言葉を信じて、歩んでいきましょう。