2021年2月7日 降誕節第7主日礼拝説教要旨
「常識を打ち破った「この女」は立派だ。」 小笠原純牧師
マタイによる福音書 15:21-31節
世の中いろいろなことが変わっていきます。Googleが策定した「Googleが掲げる一〇の事実」の中の九番目に「スーツがなくても真剣に仕事はできる」という項目があるそうです。いまはビジネスマンではなく、プロスポーツ選手がスーツをカッコよく着て登場するのがはやっています。(中野香織「スポーツとファッション」)
「カナンの女の信仰」の話は、とても印象的な話です。イエスさまの弟子たちはカナンの女をけぎらいしています。「この女を追い払ってください」と弟子たちは言っています。カナンの女は「この女」呼ばわりされています。しかしカナンの女はそうした扱いに負けることなく、イエスさまに頼み込み、そして娘をいやしてもらい、「婦人よ、あなたの信仰は立派だ」という祝福を、イエスさまからいただくのです。カナンの女は、いまはやりの「わきまえない女」です。
「良きことをあきらめない」というのは、やはりとても大切なことだと思います。世の中は差別に満ちていたとしても、やはり世の中に差別があるのは良くないです。「そんなこと言ったって、変わらないよ」という思いになってしまいそうになりますが、でもやはり「良きことをあきらめない」。世の中、意外に変わるものです。ビジネスマンはスーツを着なくなり、スポーツ選手がスーツを着るのです。
神さまの救いは異邦人にも広がっていくということの始まりは、カナンの女の「とんち」だったということが聖書に記されているというのは、なかなか興味深いことだと思います。弟子たちにも従わず、イエスさまにも従わなかった女性の話を、「でもこの話、よく考えたらいい話よね。笑えるし」と思って語り伝えた人たちがいたのです。それは女性だけでなく、男性もそのように思って語り伝えたのだと思います。
「良きことをあきらめない」「良きことを求めて生きていく」「良き社会を願いつつ生きていく」。そうしたことはとても大切なことです。イエスさまは私たちに語っておられます。「あなたの願いどおりになるように」。イエスさまから祝福されるような「願い」をもちつつ、イエスさまを信じて歩んでいきましょう。
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