2021年6月11日金曜日

2021年6月6日

 2021年6月6日 聖霊降臨節第3主日礼拝説教要旨

「悔い改めて、新しく始めよう」 小笠原純牧師

マタイによる福音書 3:1ー6節

讃美歌21の424番「美しい大地は」は、フィリピンの讃美歌です。「2.貪りの心が 正義を踏みにじり 貧しい人々の 大地を取り上げる。 喜びの歌声、 涙に変わりはて、 緑のこの土地は 灰色にかわる」。フィリピンはスペインやアメリカといった国々から支配をされた歴史をもっています。そして私たちの国もまた、フィリピンの美しい大地を踏みにじった国の一つです。フィリピンではナショナリズムは、「外国人によって踏みにじられた祖国の大地が泣いている」「正義が踏みにじられ、美しい大地が泣いている」という感じで表されます。讃美歌21の「美しい大地は」という曲は、ナショナリズムということを越えて、もう一歩進んで、「美しい大地は 私たちの神が 与えられた恵み、貴い贈り物」なのだということを歌っています。

洗礼者ヨハネは、人々に悔い改めを迫りました。洗礼者ヨハネやイエスさまの時代というのは、ユダヤがローマ帝国によって支配されていた時代です。乳と蜜の流れる地と言われた大地が、外国人によって踏みにじられている時代でした。苦しんでいる人々や貧しい人々がたくさんいる時代でした。そんな時代、洗礼者ヨハネは、神の国がもうそこまで来ていると告げ、人々に悔い改めを迫りました。神さまはこんなひどい世の中を、いつまでもこのままにしておかれない。この世の中の不正や苦しみや悲しみをつくりだしているのは、私たちが神さまのみ旨に反して生きているからだ。私たちの罪のためだ。洗礼者ヨハネは、そう言って、人々に悔い改めを迫りました。

新型コロナウィルス感染症のために、世界中がこの1年半、格闘しています。新型コロナウィルス感染症に打ちのめされたという気がします。そして持てる者(国)と持たざる者(国)との格差が、明らかになってきています。

いま、洗礼者ヨハネが私たちの世の中に現れたら、私たちに悔い改めを迫るだろうと思います。「新型コロナウィルス感染症のワクチンを打つことができる国と、十分に打つことができない国があるのは、どうしたことか」「貧しい国の人々にも同じようにワクチンを届けていくという世の中ではないのか」「お前たちの社会は、そんなにさみしい社会なのか」。

私たちの世の中が神さまの御心にかなった、良い世の中になりますようにと祈る者でありたいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿