2023年4月30日 復活節第4主日礼拝説教要旨
「あなたを愛している人がいる」 小笠原純牧師
ヨハネによる福音書 6:34-40節
『ウラジーミルの生神女』は、ロシア正教会で最も有名な生神女(聖母マリア)のイコンの一つです。このイコンの特色は、イエスさまとマリアが頬を寄せ合っているというところです。イエスさまはマリアに対してだけでなく、誰に対しても頬を寄せてくださって、「あなたのことが大好きだよ」と言ってくださっているような気がするのです。イエスさまはいつも私たちがさみしいとき、かなしいとき、私たちのところにきてくださり、私たちに頬をよせて慰めてくださいます。この『ウラジーミルの生神女』を見ていると、そんなふうに感じました。わたしのことを愛してくださる人がいることの幸いを感じます。
人は神さまから愛されている。人はみな神さまの救いの中に入れられている。神さまを信じる人々に永遠の命を与えるために、神さまはわたしをお遣わしになったのだと、イエスさまは言われました。だからイエスさまは「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない」と言われたのです。私たちは神さまの愛の中に生きています。
私たちは罪深いものです。いろいろな邪な思いも持ちますし、また互いに傷つけあうことも多いです。神さまの前に正しいものであることはできません。いろいろなときに自分のだめなところに気づいて、とてもいやな気持ちになります。どうして心ない言葉を語ってしまったのだろう。どうして配慮できなかったのだろう。どうして傷つけてしまったのだろう。いろいろなことで後悔します。神さまの前に立ち得ない罪深さを感じるときがあります。
イエスさまは「わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである」と言われました。「わたしに与えてくださった人を一人も失わないで」とありますように、神さまは私たち一人一人をかけがえのない者として愛してくださっています。「一人も失わないようにする」という思いで、神さまは私たちを愛してくださっています。
イエスさまは「あなたを愛している方がいる」と、私たちにくりかえしくりかえし教えてくださいます。私たちは神さまにふさわしいから愛されているのではありません。私たちにすばらしいことがあるから、私たちを神さまが愛してくださっているのではありません。私たちは神さまの前にふさわしいものではないけれども、ただ神さまは私たちを愛してくださっているのです。
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