2019年5月21日火曜日

2019年5月12日

2019年5月12日 復活節第4主日礼拝説教要旨
  「父の御心」 桝田翔希伝道師
   ヨハネによる福音書 6:34~40節
 ここ数週間は元号の変更という社会の流れの中で、メディアでは繰り返しの報道がなされました。違和感を覚える状況でありますが、この時にあって母の日の礼拝を守っています。世界各地で「母の日」は守られているようですが、様々な起源があるそうです。日本で守られている母の日はイギリスやアメリカでの出来事が元になっているそうです。アメリカで社会活動にもかかわっていた「アン」という女性がいたそうです。彼女は早くに亡くなられたのですが、そのことを偲んで生前好きだったカーネーションを持ち寄り記念会が行われたのだそうです。1900年初めごろの出来事でありました。ここから母の日が祝われるようになったのだそうです。しかし後に、この日にはカーネーションが高額で売られるようになり、アンを知る人たちは心を痛めたのだそうです。母の日は商業主義に取り込まれていきました。
 聖書日課では、「5千人の給食」の後の場面が選ばれていました。2匹の魚と5つのパンで5千人が満たされるという奇跡の後に、その群衆たちはイエスの後を追います。ここには、さらなる奇跡を見てみたいという群衆の思いを見ることができます。湖の対岸まで船でやって来た群衆に対してイエスは「命のパン」を語ります。群衆たちは見ていませんでしたが、この時イエスは湖の上を歩いて渡るという奇跡を行っていました。しかしその奇跡を語ろうとはしませんでした。5千人の給食を体験した群衆は、イエスの承認となる存在でした。しかし肉体的な満足を経験し、当時言われていた「政治的・熱狂的な救い主」を求める姿があります。当時大切にされた価値観と、神の御心は違うということをイエスは語ります。
 日本でも母の日は、商業ベースに乗っかったものがうたわれているように思います。この社会で生きる私たちは、この世的な価値観に大きく翻弄されるのも事実です。メディアで言われることをそのまま受け入れてしまう時もあります。しかしこの時にあって神の御心を知ることが大切であると語られているのです。私たちはすべての人が等しく神に命を与えられ、神の命を生きています。お互いの与えられた命を祝いながら、尊重しながら「母の日」を覚えたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿