2019年8月4日 聖霊降臨節第9主日礼拝説教要旨
「ちいさな者だけれど、平和を祈る。」 小笠原純牧師
ルカによる福音書 8:1~3節
私たちの平安教会が属しています日本基督教団は8月の第一主日を、平和聖日としています。あさっては、8月6日、74回目の広島原爆記念日を迎えます。
ドイツで行なわれた反ナチス運動に、「白バラ」というのがあります。ショル兄姉とその友人たちは、ナチスドイツに反対するビラをつくり大学などで蒔きました。そしてゲシュタポにつかまり、逮捕されて四日で、ギロチンで処刑をされました。「あの人たちは何も超人的なことを企てたのではないのです。・・・。ある単純なこと、つまり個人の権利と自由、各人の自由な個性の発達と自由な生活への権利とを、背負って立ったにすぎないのです。・・・。彼らの欲したことはみんなが、わたしもあなたも、人間的な世界に生きうるということだったのです」(『白バラは散らず ドイツの良心 ショル兄妹』、未来社)。ショル兄妹たちのその精神は引き継がれていきます。白バラは散らず、白バラは散らない。白バラは咲き続けるのです。小さな花であるかも知れないけれども、しかし白バラは咲き続ける。ショル兄妹たちはふつうの小さな人たちでしたが、しかしそのふつうの小さな人たちの良心が、この世界を支えています。
イエスさまの周りには、十二弟子たちと、そしてガリラヤから付いてきた女性たちがいました。イエスさまが十字架につけられたときも、そしてイエスさまがよみがえられたときも、女性たちはイエスさまのことを忘れることがありませんでした。女性たちは「自分の持ち物を出し合って」とあるように、自分たちのできる範囲のことを、誠実に行ないながら、イエスさまにお仕えしたのです。彼女たちは他人のものをもってくるのではなく、「自分の持ち物を出し合う」のです。もちろんそれでは足りないということもあったでしょう。それはそれで仕方のないことです。足りないことは神さまにお任せして、自分たちは自分の持ち物を出し合って、誠実に歩んでいったのです。マグダラのマリア、ヨハナ、スサンナの名前は記されていますが、しかしそのほかの多くの女性たちの名は記されることはありません。それでもやはり誠実に、イエスさまにお仕えして歩んだのです。
私たちもまた小さな者ですが、多くの女性たちのように誠実に歩みたいと思います。74回目の広島原爆記念日を迎え、そして8月9日の長崎原爆記念日、8月15日の敗戦記念日を迎えます。神さまの平和を求めて、祈りつつ歩みたいと思います。
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