2020年12月25日金曜日

2020年12月20日

 2020年12月20日 待降節第4主日礼拝説教要旨

   「神は我々と共におられる。」 小笠原純牧師

     マタイによる福音書 1:18ー23節

 クリスマスおめでとうございます。主イエス・キリストのご降誕をこころからお祝いいたします。どんな困難な中にあっても、主イエス・キリストは私たちのところに来てくださり、私たちと共に歩んでくださるということを、いま一度、こころにとめたいと思います。新型感染症のために、悲しい思いをしておられる人たち、つらい思いをしておられる人たち、苦難の中にあって苦闘しておられる方々のところに、主イエス・キリストがきてくださることを、私たちは信じています。そしていまも戦争や貧困、迫害や抑圧の中にあって、苦しんでいる人々のところに、主イエス・キリストは希望となってお生まれになられたことを覚えたいと思います。

 フランスの経済学者で、ヨーロッパ復興開発銀行の初代総裁を務めた、ジャック・アタリは、新型感染症のなか、「生き残りを望むなら、利己主義ではなく、利他主義が自分の利益になることを意識すべきだろう」(日本経済新聞デジタル)と言っています。ジャック・アタリの言葉は、「自分一人が幸せになる道ではなく、みんなで幸せになる道がある」ということを、私たちに教えています。

 イエスさまをみごもったマリアと、「ひそかに」離縁をしようとした「正しい人」ヨセフのところに、主の天使が夢の中に現れます。主の天使は、生まれてくる子どもは、イスラエル全体、世界全体の救い主なのだから、この子と一緒に歩みなさいと、ヨセフに言いました。世界全体の正しさということがある。あなたは「正しさ」という自分が幸せになる道を選ぼうとしているけれども、あなたを含めてみんなで幸せになる道があるのだ。その道は「神、われらと共にいます」という道なのだと、主の天使は言いました。

 世界中で新型感染症が広がり、とても不安な年でありました。「利己主義ではなく利他主義へ」というジャック・アタリは言いました。しかしそのことは、もうすでに私たちが昔から、聖書の言葉として伝え聞いていることです。私たちはずっと、自分の利益になることだけ考えるような、自分勝手なことばかりを大切にする世の中ではなく、共に分かち合い、共に支え合う世の中でなければならないと信じてきました。

 クリスマス、主イエス・キリストは、神さまが私たちと共にいてくださることの証しとして、私たちのところにきてくださいました。お迎えしたイエスさまと共に、恐れることなく、神さまを信じて歩んでいきましょう。


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