2023年8月19日土曜日

2023年8月13日

 2023年8月13日 聖霊降臨節第12主日礼拝説教要旨

「おごれる人も久しからず」 小笠原純牧師

  ルカによる福音書 12:35-48節

 「おごれる人も久しからず」は、平家物語の冒頭の一節です。近代外科学の開祖と言われるアンブロアズ・パレという人は、謙虚な人だったと言われています。パレが残した有名な言葉は「我、包帯し、神、これを癒やしたもう」という言葉です。「よくなりましたね」「はい、先生のおかげです」「いえ、私は包帯をしただけです。あなたを治したのは神さまですよ」。そのようにパレは患者に接していたようです。

 世の終わり・終末のときに備えてちゃんとしている忠実で賢い管理者である僕は、神さまから大きな祝福を受けるわけですが、そうではなくいいかげんなことをしている不忠実な管理者は、神さまから罰せられるのです。神さまは管理者である僕にいろいろなことをまかせているわけです。ある意味信頼されているのです。だからその信頼に応えなければならないのです。

 神さまから託された管理者として、してはいけないことというのは、「下男や女中を殴ったりしてはいけない」ということです。「下男や女中を殴ったりしてはいけない」というのは、結局、「謙虚になりなさい」ということなのです。力で人を支配しようとするのは、それは神さまの目からすると、それは異常なことなのです。自分のことを考えられないくらい高いところに置くからこそ、力で人を支配することができるのです。暴力的であったり、力で人を支配しようとすることを、神さまは強く戒められ、「謙虚になりなさい」と言われるのです。

 讃美歌1編の11番の「おごらず、てらわず へりくだりて わが主のみくらと ならせたまえ」という歌詞は、なかなか印象的な歌詞です。私たちクリスチャンは、「終末を見つめて、きちんと生きる」ということが大切です。周りの人々から誉めたたえられるような生き方でなくても、神さまとの関係を正しく保って、きちんと生きるのです。私たちは罪人ですから、正しく生きることはできないかも知れません。それでもやはり神さまの前に立つ一人の罪人として、きちんと生きるのです。世の終わり・終末に、神さまの前に立つということを、心に留めて、きちんと生きるのです。できなかったことはできなかったこととして、神さまにご報告し、だめだったことはだめだったと、神さまにご報告する。そして神さまに守られ、神さまに愛されて、人生を歩むことができた幸いを、心から感謝したいと思います。

 「おごらず、てらわず へりくだりて」、クリスチャンとしての良き人生を歩みましょう。


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