2024年5月5日 復活節第6主日礼拝説教要旨
「大丈夫。わたしがいるから。」 小笠原純牧師
ヨハネによる福音書 16:25-33節
『死にたいけどトッポッキは食べたい』(光文社)は、韓国でベストセラーになったエッセイです。BTS (防弾少年団)のメンバーのRMの枕元にも置いてあったと言われています。「なんとなく気持ちが沈み、自己嫌悪に陥る。ぼんやりと、もう死んでしまいたいと思いつつ、一方でお腹がすいてトッポッキが食べたいなと思う…。気分変調症(軽度のうつが長く続く状態)を抱える女性が、精神科医とのカウンセリングを通して、自分自身を見つめ直した12週間のエッセイ」。
イエスさまと弟子との関係は、イエスさまが「わたしについてきなさい」と言われ、弟子が「はい、ついていきます」とついていき、いろいろなことがあるけれども、いけいけどんどんで歩んでいくというような感じです。ですから「メンタルやられて、もうちょっとだめです」というような話はあまり出てきません。
しかし聖書にも体の調子が悪くなった人の話が出てきます。使徒パウロは体の調子が悪かったときのことを書いています(ガラテヤ4章13-14節)。使徒パウロが体の調子が悪かったとき、ガラテヤの教会の人たちがパウロを大切にしてくれたことによって、ガラテヤの教会はできました。またエパフロディトは、使徒パウロが獄中生活を送っている時に、フィリピの教会の人たちから使徒パウロのお世話をするために送りだされたのですが、途中でちょっとしんどくなって、フィリピに帰りたいと思います(フィリピ2章25-28節)。
大切な人を失ったあとの喪失感というのは、あとからじわーっときいてくるということがあるわけです。「ああ、イエスさま、もうおられないんだ」。イエスさまの弟子たちはユダヤ人で韓国人ではないですから、『死にたいけどトッポッキは食べたい』とは思わないでしょうけれども、『死にたいけどデーツは食べたい』というような気持ちになる弟子たちもあっただろうと思います。
イエスさまは弟子たちに、「しかし、わたしはひとりではない。父が、共にいてくださるからだ」と言われました。わたしと共にいてくださった神さまは、あなたと共にいてくださる。だから勇気を出しなさい。勇気をもって、歩み始めてみてほしい。
イエスさまは少し疲れた私たちを招いておられます。無理せず、ゆっくりと歩み始めてみましょう。神さまは私たちを守り導いてくださり、私たちに必要なものを備えてくださいます。
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