2024年8月24日土曜日

2024年8月18日

 2024年8月18日 聖霊降臨節第14主日礼拝説教要旨

「これからは、もう罪を犯してはならない」 小笠原純牧師

  ヨハネによる福音書 8:3-11節

 罪を悔いるということは、新しく生き直すということです。同じ過ちを犯さないようにするということです。そこには心からの決意が必要です。

 律法学者たちやファリサイ派の人たちは、イエスさまのところに姦通の現場で捕らえられた女性をつれてきます。イエスさまは「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」と言われました。すると「これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去」りました。イエスさまは女性に、「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」と言われました。

 ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』(岩波書店)という本の中に「ラク町のお時」という話が出てきます。敗戦後に生活のために身を売るしかなかった女の人の話です。ラク町のお時はNHKの記者のインタヴィユーに答えました。「そりゃ、パン助は悪いわ、だけど戦災で身寄りもなく職もないワタシたちはどうして生きていけばいいの・・・・・好きでサ、こんな商売している人なんて何人もいないのヨ・・・・・それなのに、苦労してカタギになって職を見つけたって、世間の人は、アイツはパン助だって指さすじゃないの」。世間を責め立てたラク町のお時は、ラジオから聞こえてきた自分の声が、まるで悪魔のようであったことにショックを受けて、その道から足を洗うことにしました。だめな自分に気がつき、新しく出直すことの尊さということがあります。

 私たちの教会が属しています日本基督教団は、1967年3月26日に、「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を出し、戦争中の歩みを悔い改め、新しく生き直す決意を言い表しました。

 戦後79年という月日がたち、戦争や平和をめぐる状況は、大きく変わりました。しかし変わらないこともあります。戦争によって多くの人々が悲惨な目にあい、悲しみが憎しみをつくり出し、憎しみが暴力を生み、暴力が新たな憎しみを生み出していくことです。

 79年前に敗戦を経験した私たちは、「もう罪を犯してはならない」というイエスさまの言葉をしっかりとこころにとどめたいと思います。神さまの平和がきますようにと、お祈りいたしましょう。


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