2024年8月9日金曜日

2024年8月4日

 2024年8月4日 聖霊降臨節第12主日礼拝説教要旨

「神さまの平和を求める」 小笠原純牧師

  ヨハネによる福音書 7:1-17節

 今日は私たちの属する日本基督教団が定めた「平和聖日」です。8月15日に、79回目の敗戦記念日を迎えます。アジア・太平洋戦争において、私たちの国はアジアの諸国に対して侵略戦争を行ないました。日本基督教団は、「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」という信仰告白を行なっています。

 ユダヤ人はイエスさまを殺そうとねらっています。人々もイエスさまについて公然と語ることはできません。自由にものを言うことができない雰囲気が社会に漂っているわけです。そうした雰囲気のあるなかで、声をあげて自由に話をするということは、とてもむつかしいことであると同時に、とても大切なことです。

 戦争へ向かっていく途中、「戦争反対」の声をあげることができるときがあったわけですが、しかしだんだんとそういた声をあげることはむつかしくなっていくわけです。それはどこの国でもそうでしょう。いざ戦争状態になってしまうと、「戦争反対」と声をあげることはとてもむつかしいことになるわけです。

 京都の進々堂というパン屋の続木満那は、戦争中、スパイ容疑をかけられた人を殺せと言う命令を受けますが、裁判もなにもないままスパイだと決めつけられている人間を自分は殺すことはできないと、その命令に従いませんでした。続木満那は自由学園の男子部一回生として創立者の羽仁もと子・羽仁吉一夫妻に薫陶を受けたクリスチャンです。続木満那は1952年、食パンをスライスした状態で包装して販売し始めました。商品名は「デーリーブレッド」です。主の祈りの「日毎の糧を今日も与えたまえ」から取られています。その名に「私どもの造るパンが神に祝福され、人類の健康と幸福に役立ちますように」との祈りを込めたとのことです。(『パン造りを通じて神と人とに奉仕する 進々堂百年史』、「二等兵物語」P110-111)(『島森路子インタビュー集2 ことばに出会う』、天野祐吉作業室、P.61-62)(続木創「パン造りと真摯に向き合う」、信徒の友2020年9月号、P.26)

 私たちは主の祈りで「我らの日用の糧を、今日も与えたまえ」と祈ります。そして私たちは主の祈りで「御国を来させたまえ」と祈ります。「みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ」と祈ります。

 神さまの国がきますように。神さまが求めておられる平和な社会に、私たちの社会がなりますように。そうした祈りを大切にして、神さまの御心に従って歩んでいきたいと思います。


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