2024年11月29日金曜日

2024年11月24日

2024年11月24日 降誕前第5主日礼拝説教要旨

「ちいさなよきわざにはげむ」 小笠原純牧師

  マタイによる福音書 25:31-46節

 今日は収穫感謝日です。秋の実りを、神さまに感謝する日です。神さまから与えられた豊かな恵みは、ひとりじめするものではなく、みんなでわかちあうものであることを、覚えたいと思います。

 昔々のクリスチャンの人たちは、私たちが思っている以上に、一生懸命に、人のために働いていました。どうしてそんなことがわかるのかというと、昔々の人の手紙の中にそう書かれてあるからです。紀元4世紀のこと、ローマ帝国っていう大きな国がありました。そのローマ帝国の皇帝に、ユリアノスさんという人がいました。ユリアノスさんはクリスチャンが大嫌いだったんだけど、でもクリスチャンのしていることはとてもいいことだから、私たちも真似しないといけない。悔しいけれど、クリスチャンの人たちは、ほんとうによく、人のために働いている。そんな手紙を残しています。

 「あなたもクリスチャンの人たちみんな熱心に、人のために働いているのをよく知っているだろう。彼らは本当に一生懸命に人のために働いている。だから、私たちも彼らの真似をして、人のために働こう。そうしたら、みんな私たちの方の言うことを信じるようになるだろう。クリスチャンは、町に困った人たちのための宿を作っているから、私たちも作ろうじゃないか。クリスチャンがつくった宿は、自分たちの仲間のためだけの宿じゃない。自分たちの仲間以外の人たちで困っている人も、自由にその宿に泊まることができるような宿なんだ。泊まるだけじゃなくて、食べ物も食べることができるし、病気の人たちへの介護もそこではされている。そして身寄りのないお年寄りの人も、そこには泊まることができるんだ。そんな宿を、私たちもつくろう。そんな宿を、クリスチャンの人たち以上につくれば、人々は私たちの言うことを信じるようになるだろう」。

 小さな良い業に励むために、いつもみんなの頭のなかに「お先にどうぞ」っていうことを置いておいたらいいんじゃないかなあと思います。30年ほど前に天に召されたレヴィナスさんっていうフランスの哲学者は、私たちがこの世の中で暮らしていくときには、「お先にどうぞ」っていう気持ちが大切だって言っています。

 イエスさまは私たちに、「この世の小さな人々のためのことを忘れないでほしい」と言われました。「自分のことばかり先に考えて、自分勝手に過ごすのではなくて、人のために働くことも大切だよ」と言われました。私たちはイエスさまの招きに応えて、小さな良き業に励みたいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿