2025年1月12日 降誕節第3主日礼拝説教要旨
「おぼろに見ている」 小笠原純牧師
1コリント 13:1-13節
パウロさんは大切なことが三つあると言いました。「信仰と希望と愛がとても大切」。それでこの三つの中でもっとも大切なのは、何なのか。パウロさんは「信仰の人」だったから、「もっとも大切なのは信仰だ」と言ってもおかしくないような気がするのですが、でもこう言いました。「その中で最も大いなるものは、愛である」。「愛は神さまがくださるものだから、やっぱり一番大切だ」と、パウロさんは思っていました。
パウロさんは「人間ははっきりとものをみていない」と思っていました。「わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている」と言っています。「自分のことは自分がよく知っている」というのであれば、自分の顔がどんな顔かはっきりと見ていてもいいような気がしますが、私たちは自分の顔を直接見ることはできません。私たちは自分の顔も「鏡に映ったものを見ています」。
私たちは意外に自分のことを知りません。周りの人のほうがはるかにわたしのことを知っているということがあります。みなさんのお母さんは、みなさんがどんなにかわいらしく笑うかを知っています。みなさんのお父さんは、みなさんがどんなに気持ち良さそうに眠っているのかを知っています。みなさんの友だちは、みなさんがどんなにやさしい顔を友だちにむけてくれるのかを知っています。みなさんの恋人は、みなさんがどんなにすてきな瞳で自分をみつめてくれるかを知っています。
「私たち人間が見ているものは、鏡におぼろに映ったものにすぎない」のです。だから私たちはお互いに謙虚にならなければなりません。私たちが真理を振りかざして人を問いつめようとしたり、人を裁こうとするとき、自分が絶対に正しいと思い込んでいるとき、私たちは自分たちが見ているものが「鏡におぼろに映ったものにすぎない」ということを思い起こさなければなりません。
大切なことは神さまが私たちを愛してくださっているということです。自分がりっぱであるとか、自分がりっぱでないとか、そういうことが大切なのではない。神さまがわたしのことを愛してくださっているということが大切なのだと、パウロさんは言いました。
私たちは大きな神さまの愛のなかに生かされています。神さまが私たちを守ってくださっています。私たちのことを愛してくださる神さまにより頼んで、神さまの愛に感謝して歩んでいきましょう。
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