2020年10月8日木曜日

2020年10月4日

 2020年10月4日 聖霊降臨節第19主日礼拝説教要旨

    「良い業を行なう」 小笠原純牧師

      ヨハネによる福音書 10:31ー42節

 『すばらしい新世界』というアンチ・ユートピア小説で有名なオルダス・ハクスリーの名言に、「生涯を通して人間の問題に関心を持ち続け、最後に忠告として言えるのが、『もうすこしだけ親切にしよう』だけでしかないのは、少し恥ずかしくもある」というものがあります。この「少し恥ずかしくもある」というのが良いですね。わたしは「親切にする」ということをもう少し広げて、「小さな良き業に励む」という歩みでありたいと思っています。まあどれだけできているかは別ですけれども。

 イエスさまは自分のことを信じないユダヤ人たち対して、「わたしは神さまの業を行なっている。その業でわたしのことを判断しなさい」と言われました。わたしが行なっていることを見れば、神さまがわたしのうちにおられること、わたしが神さまのうちにいることを知ることができるだろう。そうしたら、わたしのことを信じることができるようになるだろう。

 クリスチャンは昔からずっと、「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイによる福音書25章40節)との御言葉を大切にしてきました。

 小さな良き業に励むことは、世の中にとって良いことであるのと同時に、自分自身にとっても良いことです。私たちの心の中には良き思いと、悪い思いがあります。やさしい思いと、いじわるな思いがあります。小さな良き業を行なっていると、自分の中にある良き思い、やさしい思いを養っていくことになります。

 私たちの世の中は、神さまが望んでおられないこと、神さまのみ旨に反するようなことが起こります。腹立たしいことも起こりますし、私たちの意に沿わないようなことも起こります。そうしたなかにあっても、やはり私たちクリスチャンは落ち着いて、神さまが喜ばれる良き業に励みたいと思います。それは小さな、小さな業かも知れません。しかし神さまが喜んでくださる良き業です。人を励まし、人を支え、打ちひしがれた人のこころに愛を届ける歩みでありたいと思います。


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