2021年11月14日 降誕前第5主日礼拝説教要旨
「不安よ、さようなら。」 小笠原純牧師
マルコによる福音書 13:5ー13節
「スタンダードブックス 河合隼雄」(平凡社)を読みながら、27年前といまでは、貧困ということの意味が違っていることに気づかされます。【ここで食生活が貧困だと言うのは、栄養が悪いという意味ではない。心のこもった味わいのある食事を食べる機会が少ない、ということなのである】(河合隼雄)とありますが、いまの時代は、食生活の貧困というのは、まさに貧困問題として語られます。お金がなくて、子どもに十分に食事を与えることができないということです。よくこども食堂なども話題になります。私たちの社会はすこし前に比べて、困った世の中になっているような気がします。新型感染症もあり、何となく不安を感じるという人も多いことと思います。
世の終わり・終末の前には、地震や飢饉などの天変地異が起こり、またいろいろなところで戦争が起こる。そして偽預言者がたくさん出てきて、みんなを不安にさせる。また神さまのみ旨に従って生きていこうと思う人たちは迫害を受ける。力の強い者が自分勝手な政治を行ない、そして力の弱い者たちを顧みようとしない。神さまの御心に従って生きていこうとすると、力ある者たちによって裁かれ、牢屋に入れられることになる。そのようにイエスさまは言われました。
なんとも不安な話であるわけです。イエスさまの時代のあとのクリスチャンたちは、世の終わり・終末を経験することはありませんでしたが、しかしここで書かれてあるような迫害を実際に受けることになりました。そしてイエスさまを信じ、神さまを信じて、最後まで耐え忍んだのでした。
最後まで耐え忍ぶことができるのは、聖霊の働きがあるからだと、イエスさまは言われます。いろいろな不安に出会い、どうしたら良いのかわからないというようなことがあるだろう。しかし大丈夫なのだ。困ったとき、行き詰まったときは、神さまの霊である聖霊があなたを助けてくれる。だから恐れずに生きていきなさい。
私たちは「不安よ。さようなら」と言いたいと思います。神さまにお委ねしなさい。神さまがあなたを守ってくださる。神さまが良き道を整えてくださる。聖霊があなたを導いてくださり、そしてあなたのやるべきこと、語るべきことを整えてくださる。神さまにお委ねして、神さまが守ってくださることを信じて、安心して行きなさい。そのようにイエスさまは言われました。
イエスさまの招きに応えて、神さまにお委ねして歩んでいきましょう。
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