2023年3月11日土曜日

2023年3月5日

 2023年3月5日 受難節第2主日礼拝説教要旨

 「口を利けなくする悪霊からの解放」 

             小笠原純牧師

  ルカによる福音書 11:14ー26 節

 為政者に庶民の声はなかなか届かないものだと、新聞記事を読みながら思いました。ウクライナ戦争を続けているロシアのプーチン大統領のところにも、なかなか声が届かないのだろうと思います。周りの人もプーチン大統領が不機嫌になることを伝えたいとは思わないのです。アジア・太平洋戦争のときも、やはり同じようなことが行われていたようです。イギリスの代表的な現代作家と言われるジュリアン・バーンズは、「最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、馬鹿で、悪辣な事をしている時に、それを言ってやることだ」と言っています。世界や国家がおかしなことをしているとき、私たちは「それはちょっと恥ずかしいよ」と声をあげたいと思います。

 イエスさまは口を利けなくする悪霊を追い出され、口の利けない人がものを言い始めるようにされました。それをみて、群衆は驚きます。しかしイエスさまが悪霊を追い出されたのをみて、「イエスは悪霊の頭であるベルゼブルの力によって悪霊を追い出している」という人たちがいました。またイエスさまに奇跡をしてほしいと言って、イエスさまを試す人たちもいました。

 イエスさまは、自分は悪霊の力ではなく、神さまの力によって悪霊を追い出している。だから神さまの国はあなたたちのところに来ている。だから安心しなさいと、言われました。また、わたしに味方しない者はわたしの敵である。わたしと一緒に歩んでいかない人は、わたしの仲間だということだけれど、あなたたちはわたしに敵対していて、それでよいのか。と、イエスさまは言われました。

 私たちは主の祈りで、「御国が来ますように」と祈ります。私たちは武力がこの世を治めているとは思いません。私たちの世界を治めているのは、神さまの愛です。「黙ってたほうがいいかなあ。まあわたしが言うことでもないか」というような気持ちになることが多いですが、しかし「口を利けなくする悪霊によって口が利けなくされているのではないか」と、立ち止まって考えてみることも、私たちには大切です。

 自由にものが言えない社会は、滅びへと向かっていきます。ですから私たちは、口を利けなくする悪霊が出ないように、私たちの国でも社会でも会社でも教会でも、そのような雰囲気にならないように気をつけたいと思います。みんなが自由にものが言えるように、穏やかに話しあうことができる社会を作り出していきたいと思います。


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