2023年12月2日土曜日

2023年11月26日

 2023年11月26日 降誕前第5主日礼拝説教要旨

「ウソはやめた方が良い」 小笠原純牧師

  ヨハネによる福音書 18:33-40節

 イタリアのローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会には、「真実の口」という石の彫刻があります。真実の口に手を入れると、ウソをついている人はその手首が切り落とされてしまうという伝説があるそうです。映画『ローマの休日』に出てきます。

 今日の説教題は「ウソはやめた方が良い」という説教題をつけました。わたしがここでいう「ウソ」というのは、真理と向き合わない姿勢というようなことです。いいかげんに生きている時につく、いいかげんな「ウソ」というのがあります。自分の立場を守るためにウソをついたり、自分の利益のためにウソをついたりする、そうしたウソのことです。イエスさまの時代も、支配者のなかで、そうした雰囲気が拡がっていました。

 ピラトは「真理とは何か」と言いました。ピラトの中では「真理」とか「正しさ」とかそういうものはあまり意味のないものになっていたのです。ですから「真理とは何か」というようなつぶやきが出てくるわけです。「真理とは何か。そんなものあるわけないだろう」。世の中は混とんとして、みんな好き勝手に生きている。世の中にはウソがいっぱいで、みんな気軽にウソを言う。良き社会をつくりたいとか、良い人として生きたいというような思いが、社会全体の中で失せてしまっている。

 そうした社会の中にあって、しかしイエスさまは言われます。「わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く」。イエスさまは真理について証をされます。神さまの御子として、神さまのみ旨を行われます。神さまは私たちを愛してくださり、私たちを良きものを備えてくださる。神さまがこの世を治めておられる。私たちが迷子になり、恥ずかしいことをしてしまうことがあったとしても、神さまは私たちを探し出してくださり、神さまのところに連れ戻してくださる。私たちの勝手な思いではなく、神さまの御心が実現していく。

 実りの秋。私たちは私たちの神さまが多くの実りをもたらしてくださいました。神さまは私たちに良きものを備えてくださり、そして私たちをよき人として祝福してくださいます。神さまを信じ、イエスさまに導かれて歩みたいと思います。「真理に属する人は皆、わたしの声を聞く」。真理に属する者として、御声を聞きつつ歩んでいきましょう。

 

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