2025年5月18日 復活節第5主日礼拝説教要旨
「わたしは道であり、真理である。」 小笠原純牧師
ヨハネによる福音書 14:1ー11節
韓国の小説家ファン・ジョンウンは、『誰でもない』(晶文社)という本のタイトルについてつぎのように記しています。【この本のタイトルもまた、『誰でもない』ではなく『何でもない』と誤解されることがありました。・・・。私には、私が属している社会で人々が自分自身について、そして他の人について考えるときの姿勢が、ここに反映されているのだと思えます。私/あなたは、何でもない】。
「誰でもない」小さな者である私たちですが、しかし「他の誰でもない」大切な一人の人間であるのです。イエスさまもまた私たちにそのことを教えてくださいました。あなたは神さまから愛されているかけがえのない一人の人間である。イエスさまは病気の人々、悩みの中にある人々のところをお訪ねになり、そしてその人が神さまの愛の中にあるかけがえのない大切な一人であることをお伝えになりました。
イエスさまは弟子たちに「わたしは道であり、真理であり、命である」と言われました。イエスさまによって、私たちは真理を知り、命を得ることができる。そしてイエスさまによって、私たちは神さまへと導かれていきます。そしてイエスさまによって、イエスさまの十字架と復活によって、私たちは永遠のいのちを得ることができるということです。
十字架を前にして、イエスさまは弟子たちを励まします。なんとなく不安になっている弟子たちに「あなたたちは大丈夫だ」と言われます。「あなたたちは道であり、真理であり、命であるわたしのことを知っているのだから、大丈夫だ」と言われます。弟子たちは自信がありません。自分がちっぽけな存在であることを知っているのです。誰でもない、何者でもない、自分であることを知っています。そして不安になります。しかし、イエスさまは弟子たちを、他の誰でもない大切な一人として愛してくださいます。そしてわたしを信じなさい。わたしにつながっていなさい。わたしは道であり、真理であり、命である。このわたしはあなたたちを離しはしない、「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい」と、弟子たちを招かれたのでした。
イエス・キリストは私たちを招いておられます。誰でもない、何者でもない私たちを、イエスさまは他の誰でもない大切な大切な一人として、私たちを招いてくださっています。「わたしは道であり、真理であり、命である」。私たちはこのイエスさまが示してくださった神さまへの道を、しっかりと歩んでいきたいと思います。
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