2021年7月4日 聖霊降臨節第7主日礼拝説教要旨
「求めなさい。そうすれば与えられる。」 小笠原純牧師
マタイによる福音書 7:1ー14節
「いまの日本に必要なのは啓蒙です。・・・。それはおれの趣味じゃないから、と第一印象でひいていたひとを、こっちの見かたや考えかたに搦め手で粘り強くひきずり込んでいくような作業です。それは、人々を信者とアンチに分けていてはけっしてできません」(東浩紀『ゲンロン戦記』、中公新書ラクレ)。分断が進む社会にあって、「あなたは正しくない」と裁いているだけでは、だめなのだと思います。
イエスさまは「裁くな」と言われました。人を裁いていると、その周辺の雰囲気は悪くなります。だれもが裁くようになり、まただれもが裁かれることになります。もちろん不正や悪事を裁くということは大切なことです。不正や悪事が行なわれていることに対して、何も言わず、ただただやり過ごしたほうが良いというようなことを言っているわけではありません。ただ小さなことにこだわり過ぎて、大きなことが見失われてしまうということがあります。
イエスさまは裁くことにこだわり、周りのことが見えなくなっている人々に対して、もっと大切なことがあるのではないかと言われます。それは「あなたが探していたものを探す」ということだと言われます。あなたは人を裁くことに一生懸命になり、人のことが気になって気になって仕方がなくなり、自分のことを忘れてしまっている。あなたが探し求めていたものがあったのではないのか。人のことを気にしすぎている間に、本来自分がしようと思っていたことが忘れ去られてしまっているのではないのかということです。
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる」。ファリサイ派の人々や律法学者たちのように、人のことを気にするのではなく、あなたが求めて生きていくということを大切にしなさい。それがあなた本来の生き方であり、神さまがあなたに託している大切なことなのだ。イエスさまはそう言われました。
私たちは本来、神さまから私たち自身が求められている良き生き方を思い起こしたいと思います。私たちのできることは、ちいさなことかも知れません。しかし神さまが託してくださる良き業に励んでいきたいと思います。
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