2021年12月19日 降誕節第1主日礼拝説教要旨
「クリスマス。感謝の歌を歌いたい。」 小笠原純牧師
ルカによる福音書 1:39ー56節
クリスマスおめでとうございます。主イエス・キリストのご降誕をこころからお祝いいたします。
わたしが今年見た一番印象的なドキュメンタリーは、NHK特集の「エリザベス この世界に愛を」です。ナイジェリア人のエリザベスという女性が、入管施設に収容されている人たちを励まし続けるというものでした。エリザベスの祈りを聞きながら、マリアの讃歌を思い出しました。「神の奇跡を起こしてください。強い力でお守りください。彼らを愛していただき、心から感謝します。・・・。あなたの愛でこの家を包んでください。あなたの光で闇を取り払ってください。神よ、あなたに感謝します。崇拝します。賛美します」。思いどおりにいかないことがたくさんあるけれども、エリザベスは神さまを賛美するのです。
マリアは高らかに、マリアの讃歌を歌うわけですが、しかし現実というのはなかなかきびしいものです。マリアが歌うとおりにそうそうすぐになるというわけでもありません。現実がつらいものであると、私たちはつぶやくことや不平や不満がこころのなかから出てきます。どうしてわたしがこんな目にあわなければならないのだろう。
しかしマリアは讃歌を歌います。困難な中にあっても、不安な気持ちに陥ってしまいそうになっても、マリアは神さまを讃美します。【「わたしの魂は主をあがめ、/わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。身分の低い、この主のはしためにも/目を留めてくださったからです】。
たとえわたしが小さな者であったとしても、神さまはわたしに目を留めてくださる。わたしのことを忘れることはない。いつも神さまはわたしのこと心に留めてくださり、わたしを祝福し、わたしを守ってくださる。わたしの魂は神さまをほめたたえずにはいられない。そのように、マリアは歌いました。クリスマス。イエス・キリストはその証しとして、私たちの世に来てくださいました。
エリザベス、そしてマリア、そして私たちは神さまを賛美する者として、神さまによってつくられています。神さまは私たちを愛してくださり、ご自分の独り子であるイエスさまを、私たちの世に送ってくださいました。私たちは神さまの大きな祝福の中に生かされています。
クリスマス。私たちは感謝の歌を歌いたいと思います。つぶやきや不安、心配事でこころが一杯になって、不平や不満が口から出てしまうことが多いですけれども、クリスマス、私たちは感謝の歌を歌いたいと思います。